AkisaMiyona’s Blog

ネコさんと暮らすDIYer、アキサ ミヨナのブログ

網羅しない

『渋江抽斎』を読んで感じたこと。

森鴎外の執拗さがすごい。
興味を持った人間のあらゆる関係者をしつこく追って調べて、深く洞察する。

私はどんな勉強に対してもこんなにしつこくなれない。「ならきゃ」という気持ちでやっている。
唯一これほどにしつこくなれるとしたら、製菓製パン道具に対してか。

……と考えてきて、「それでいいのか」と思えてきた。

歴史に限らず私の知識レベルは本当にお粗末なもので、「いろいろなことを学ばなくちゃ」と思うのだけど、網羅的に “ひと通りのことを” “人並みに” 身につける必要はないんじゃないか。「こんなことも知らないの?」「この本も読んでないの?」と人から言われるのが嫌という見栄で、私は今まで知識を身につけようとしてきたのかもしれない。馬鹿々々しい。

私は小さい頃から本を読むのが大の苦手。映像で見ればすっと頭に入ることが、本ではどうしても頭に入らない。慣れること、慣らすことが大切と思ってきたけれど、未だにすっと頭に入る分野とそうでない分野がある。歴史は、そうでない分野の最たるものだ。

森鴎外だって歴史の知識を身につけるために膨大な著作を書いたわけではない。自分の興味のおもむくまま、自分のやりたいことをやっただけなのではないか。やりたいことというよりも、自分がやるべきこと、か。

私のような無知な人間が歴史を学ぶ姿勢も、興味が湧いたらそこに入り込む、それでいいのではないだろうか。 興味がないのに嫌々やったところで、何も生まれないだろう。